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異文化理解概論

異文化理解概論
異国の地の文化・習慣に遭遇した際に、私達は何を見て、どう感じるでしょうか?

文化はよく海の上に浮かんでいる氷山に例えられることがあります。氷山の大部分は海面下に隠れてみえませんが、海上に出ている部分を支えています。実は、文化にも、氷山のように見える部分(認識できる要素)と、見えない部分(背景となる要素)があります。異文化を理解する際には目に見える言動の根底には必ず価値観や考え方などその文化を持つ人のアイデンティティを支えているものがあることを忘れてはいけません。異文化環境では、日本人の氷山による価値観や判断によって形成されている自分のスタイルから一歩離れて、時には相手の氷山の中に入って、相手の文化のものの見方や、コミュニケーションのあり方を理解し適切に接する姿勢が求められます。

本コースではビジネスにおける異文化交流の中で、普通は気づかない「氷山の下に何があるか」といった視点をもって、相互理解をし、ビジネスパフォーマンスを高めていく方法について解説致します。これまで個別に語られてきた異文化遭遇時のコミュニケーションや理解のためのフレームワークについて体系的に整理された当コースの学習を通して、①多角的な切り口で異文化を捉えて理解するために異文化理解の指標や概念を学び、自文化と異なる文化との「比較の物差し」を持つこと、②その上で、対象国の文化や商習慣を自国の基準で評価するのではなく、対象国の価値観や思考習慣との違い(異文化)、その裏にある背景を捉えようとする姿勢を身に付けます。

「日本人なら当然と考える価値観や思考習慣が、世界ではそのまま適用されない」という事実に気づき、対象国の文化や商習慣を自国の基準で評価するのではなく、対象国の価値観や思考習慣との違い(異文化)やその裏にある背景を正しく理解しようとする姿勢を備えていきたいと考える、これからグローバルビジネスに関わる全ての人にご視聴頂きたい内容です。


【講師プロフィール】
岡田昭人(おかだ あきと)
東京外国語大学大学院総合国際学研究院教授
オックスフォード大学教育学博士
ニューヨーク大学大学院で異文化コミュニケーション学の修士号を取得。
オックスフォード大学教育学大学院にて日本人で初めて教育学の博士号を取得。
東京外国語大学で15年以上にわたり教育学・異文化コミュニケーション学を教授。
留学生教育学会副会長、日本国際教育学会元副会長、留学生奨学財団選考委員、NPO法人理事等、
グローバル人材育成に関する公的機関の委員を数多く歴任。

【コース構成】
EP1. グローバルビジネスにおける異文化理解の必要性
・自己紹介&本講義の内容
・グローバルビジネスではなぜ異文化理解が必要なのか?
・なぜ異文化理解は難しいのか?

EP2. 異文化理解とは何か 異文化理解のメカニズム
・そもそも”文化”とは?
・文化を表す 氷山モデル
・異文化理解のメカニズム

EP3. コミュニケーションスタイルの違い① ハイ/ローコンテクスト   
・異文化理解の指標「ハイ/ローコンテクスト」
・多文化チームにおける適切な会話とは?

EP4. コミュニケーションスタイルの違い② 非言語
・真意が表出しやすい非言語コミュニケーション
・非言語コミュニケーションごとの注意点

EP5. 異文化理解のフレームワーク ホフステッド 6次元モデル
・”ホフステードの6次元モデル”とは?
・6次元モデル 各指標の解説
・6次元モデルで見る 日本の特徴

EP6. 異文化理解のフレームワーク エリン・メイヤー カルチャーマップ①
・組織文化の新たな指標"カルチャーマップ”
・カルチャーマップ 各指標の解説

EP7. 異文化理解のフレームワーク エリン・メイヤー カルチャーマップ②
・カルチャーマップ 各指標の解説
・カルチャーマップで見る 日本の文化特性

EP8. 異文化理解のフレームワーク エドワード・ホール Mタイム/Pタイム
・2つの時間概念「Mタイム/Pタイム」とは?
・なぜ日本は始業時間に厳しく 就業時間に緩いのか?

EP9.  まとめ 
・異文化理解の基本作法とは?
・価値観・考え方を理解し 文化の壁を乗り越えよ

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